ルーセットオオコウモリの飼育 情報収集ノート

整理・記録用です。ほぼ海外の資料で種や環境が異なるため、日本の飼育下繁殖の生体にはあてはまらない部分がある可能性があることにご注意ください。アイコンは母親が餌を食べている間一人でお留守番しているこどもです(かわいい)。

食事(Australian Mammals: Biology and Captive Management, 2007)

出典
S. M. Jackson SM (2007), BATS in: Australian Mammals: Biology and Captive Management, Biology, DOI:10.5860/choice.41-6538

https://pdfs.semanticscholar.org/8c96/63fe4f51ffd04315a1bb119f948a579f3111.pdf?_ga=2.171177632.1451620713.1600503819-8554173.1599140603

 

ざっくりまとめ

・1日に与える量は体重の25-35%、複数の種類の果物

・カルシウムを添加する

 

感想

・「大きいと一口かじって残りを捨ててしまう」やるやる

・オーストラリアのオオコウモリのサイズ…(gray-headed flyingfox 600-1,000g)

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6.必要とされる食事

6ー1.飼育下の食事

・1日あたりの食事量:350gの切った果物(リンゴ、バナナ、ポポー、洋ナシ、メロン、桃、プラム、イチジク、マンゴーなどの旬の果物)注:オオコウモリ科は通常柑橘類を好まない(Booth 1994)

・水は自由に摂取できるようにする

・小さじ1杯のComplanか7~10gのWombaroo Flying-fox High Protain Supplementを果物に混ぜて与える(いずれもサプリメントの製品名)

ユーカリメラルーカ、バンクシアなどの花、マルベリーの葉などを添加する 

 オオコウモリは1日に体重の25-35%の量を摂食する。通常、少なくとも3種類の旬の果物を与えることが望ましい。オオコウモリは果実を口内で絞り、果汁を飲み、種と繊維質を吐き出す(Van Dyck 1982)。成体のオオコウモリに均質化した(たぶんミキサーにかけるとかそんな感じかと思います)果物を与えてはならない。食物繊維を大量に摂取させることになり、栄養素の吸収が阻害される(George 1990)。果物は一口大(1~2㎝2)に切って与えると無駄がない(大きいと一口かじって残りを捨ててしまうことが多い)。

 これらの果物の多くはカルシウム量が少ないため、粉ミルク、牡蠣殻を砕いた炭酸カルシウム、Complanなどによりカルシウムを添加して与える。イチジクを与える場合、イチジクは多くカルシウムを含むため、添加量を減らすことができる(Van Dyck 1982)。マルベリーの葉や野生の花もできるだけ与えるとよい。

 コウモリが届きやすいよう、エサ入れ(4~5Lの小さいバケツなど)は枝・ロープ・天井から吊るすと良い。1~2匹あたり1つの容器になるように与えるとエサをめぐってもめるのを最小限にできるだろう。

 水入れ(皿、池、ボトル)を与える。コウモリはすぐに使いかたを覚えるだろう。ボトルの場合はノズル内のボールが唾液などでつまっていないか毎日確認すべきである。